いつもと違う。アリスなお話です。
これが最後のひとつ。
どうにかお日様が沈んでしまう前にパズルは完成しました。
これでアリスは家へと帰れます。
でも、小さな兎の子は寂しそう。
帽子の男に訊ねられアリスは
「いいえ。とっても楽しかったからまた招待して下さいね。」
「だって私達、帰り方はもう覚えましたもの。」
その言葉にみんな大喜び。
また会いに来る事を約束して、帽子の男と小さな兎の子に
サヨナラの挨拶をすると、
猫の子と兎の子と一緒に元来た道を戻りました。
知らない道をトコトコ。
不思議な道をトコトコ。
トコトコ。トコトコ。
トコトコ・・・・トコトコ・・・。
気がつくと外はもう暗くなっていました。
一体、いつの間に眠ってしまったのでしょう?
アリスは目を覚ますと目をこすり、伸びをしました。
辺りには猫の子も兎の子も姿が見えません。
手の中にあるのはいつも可愛がって大事にしている
猫のぬいぐるみと兎のぬいぐるみがあるだけ。
もしかして、あのお茶会は夢だったのでしょうか?
いいえ。
あれは夢ではなく本当のお茶会だった事をアリスは知っていました。
そしてまた、お茶会に招待して貰えるといいな。
そう思いながら、
猫のぬいぐるみと兎のぬいぐるみの頭を撫でたのでした。
「もう二度とこんなお茶会は御免なのでは?」