いつもと違う。ハロウィン風なお話です。
小さな男の子の話はこうでした。
男の子は数日前から熱を出して寝込んでいると。
初めての友達が病気で苦しんでいる。
魔女は居ても立っても居られなくなり、
小さな男の子を抱きかかえ、男の子の家へと急ぎました。
男の子の家に着くと、男の子はベッドの中で
うんうんと苦しそうです。
男の子の病気は村のお医者さんでも治せない病気でした。
このままでは体が弱って死んでしまう。
魔女は男の子の姿に泣き出しそうになりました。
でも、泣いてなんていられません。
魔女は男の子の病気を治そうと
必死に魔法で看病しました。
「何をしている!」
そこへ、男の子の兄が部屋へと入って来ました。
男の子の様子を見に来たのです。
「お前は魔女だな!?弟に何をしてるんだ!」
男の子の兄が凄い剣幕で魔女に殴りかかろうとしたその時!
「駄目ー!魔女さん苛めないで!」
今まで、苦しそうに寝ていた男の子が勢いよく起き上がると
魔女を庇って兄にしがみ付いたではありませんか。
「魔女さんが病気を治してくれたんだよ。
魔女さんは悪い魔女さんじゃない、優しい魔女さんなんだよ。」
「そうだったのか・・・。」
元気になった男の子の姿をみて、
今まで自分達村人が魔女の事を
悪い魔女だと勘違いしていた事に気がつきました。
「魔女さん。弟の病気を治してくれてありがとう。
そして、今まで誤解してすまなかった。」
それ以来、村人達と魔女は仲良しになりました。
毎日のように魔女の家を色んな村人が訪れては
お茶をしたり、一緒に薬草を摘んだり
村で採れた野菜を一緒に食べたり
村人達と一緒に色んな事をして過ごす
その姿はもう寂しい魔女ではありませんでした。