クリスマスプレゼント その2。
いつもと違う。ハロウィン風なお話です。
とある森の奥に1人の魔女が住んでいました。
魔女は村の人達と友達になりたくて、
『美味しいお菓子とお茶をご用意して待っています。
是非みなさんでお越しください。 -森の魔女-』
森の入口に看板を立て、
村人が遊びに来てくれるのを楽しみに待っていました。
朝早くから焼き菓子を作り。
何度も何度も冷めたお茶を温め。
いつ誰が訊ねてきてもスグにおもてなしが出来るように
準備をしては毎日を過ごしていました。
外が暗くなっても魔女はずっと待ち続けました。
きっといつか誰かが訊ねて来てくれる。
そう信じて・・・ずっとずっと魔女は待ち続けました。

でも・・・誰も訊ねて来てはくれませんでした・・・。
村の人達は森の入口の看板をみて、
「きっと家に招いて村人を襲う罠に違いない。」
そう思っていたのです。
そんな事になっていると知る由もなく
魔女は寂しくて寂しくて、毎晩泣き続けました。
ある日。魔女は勇気を持って村まで行ってみる事にしました。
昔、村人に追いかけられて怖い思いをしたけれど、
長い間、1人で過ごす寂しさに耐えられなかったのです。
村はハロウィン真っ最中で、とてもにぎやかでした。
村人は思い思いに仮装をしていて、
誰も魔女の存在に気がつきませんでした。
これなら、村人に魔女だからと嫌われる事もない。
ほっとした魔女の元へ

「Trick or Treat!お菓子くれなきゃ。」
「いたじゅらしゅる。」

男の子と小さな男の子が話しかけてきました。