いつもと違う。ハロウィン風なお話です。
お菓子を持っていなかった魔女ですが、
話かけて貰ったのが嬉しくて
魔法で飴を出しました。
何もない所から現れた飴に男の子は驚きと喜びに声をあげました。

「すごーい!飴、ありがと!」
男の子が喜んでくれたのが嬉しくて嬉しくて。
今度は男の子の手の上に
魔女は自分の手を重ねると、呪文を唱えました。
すると、飴に足が生え蜘蛛の姿になると、
足をちょこちょこ動かし始めました。
「わ〜。」
「おぉ〜。」

動いて歩く飴に男の子と小さい男の子は大喜び。
だって、こんな不思議な飴、誰も持っていないでしょ?
二人の様子に魔女も嬉しくなりました。
その時です。

「魔女だ!魔女が居るぞ!村から出て行け!」

村人に魔女の存在がバレてしまい、村は大騒ぎになりました。
魔女は村から追い出されるように森の奥へと逃げ帰りました。
無事に家へと辿り着いたけれど、
やはり、村人達に嫌われていたんだ・・・。
自分はこれからも独りぼっちなんだ・・・。
魔女は、悲しい気持ちでいっぱいになってしまいました。


いつかは誰かが来てくれる。
そう信じてきたけれど、もうお菓子を用意して待つのは止めよう。
そう思ったある日。
トントン。
魔女の家のドアをノックする音が・・・。